80%の職人ではなく、100%の職人になってほしい
- 業種 表装・壁装
- 国 インドネシア
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初めての実習生受け入れはどうですか?
素直さとやる気をすごく感じますね。影響を受ける分、こっちもそれに応えなきゃいけないって感じます。
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受け入れる前と後で何か変化はありましたか。
最初は、試しにっていう気持ちがあったんだけど、面接した時に、彼が受かった事に対して目を潤ませて喜んでたんです。うちに来て、面接の時と変わらない彼の姿を見て、試しにじゃなくて確実に彼を育てなきゃいけないなって僕自身思いました。
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実習生に求めている事は何ですか。
80%の職人じゃなくて、100%の職人になってほしい。焦って仕事を雑に覚えて、8割出来る職人はいくらでもいるんだよね、日本人も。でも、ゆっくりひとつひとつ確実に覚えて、3年間のうちに完璧な職人になってもらいたい。誰から見ても「綺麗な仕上がりだ」って言われる職人になってもらいたいね。
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社長がつきっきりで教えているんですか。
最初はね。でも、慣れてきたら別の人の仕事を見せる環境はあるかな。同じ事をやっているのに、なんで違う仕上がりになるんだろうって疑問に思う事が勉強になるよね。
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社長の夢は何ですか。
今は、インドネシアに支店を作る事。3年経った時に、こちらもできる準備をしたうえで実習生に提案してみるつもり。でも、それが彼らにとっていい話じゃないと合意はできないから、そこはまだまだこれからだね、俺も。インドネシアでは高級ホテルでもお湯が出なかったりするでしょ。分業化がされてないから、各職種に本当のプロがいなくて、そうなるんだよね。だからこそ、実習生を受け入れるからには中途半端では返したくない。まあ、彼がインドネシアに帰ってここで身につけた技術が生かせなくても、1〜10まで完璧に仕事をやり切ったっていう経験が彼の中にあればさ、自分の自信になるじゃん。だからこそ、100%教えたいんだよね。
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この経験は実習生の財産になりますね。
お互いにね。俺も1から人に教えるのは、初めてだから。
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初めてが外国人だと、やはり難しいですか。
ううん、関係ないよ。気持ちだよ。これしかないって気持ちで日本人は来ないでしょ。俺はさ、この仕事を始めた時、親方に「お金はいらないから、働かせてくれ、仕事を教えてくれ」って言ったんだよ。まあ、もちろん実習生にお金はあげるけどさ、これを確実に覚えて、お金にするんだっていう気持ちは、実習生と一緒だよね。
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これからの成長が楽しみですね。
そう、だから楽しみの方が大きい。全然大変じゃないよ。
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最後の質問ですが、社長にとって、実習生はどんな存在ですか。
一言でいうと、家族だよね。仲のいい仲間、先輩、後輩はみんな家族。